Art Dialogue Cafeについて
「人と話す」という行為は、生まれてから死ぬまで一生続きます。
しかしながら、これまでの教育で「人と話す」ことについて、学校で学んだことは一度もありません。
社会生活では、他人と意思疎通を図れず思わぬトラブルを引き起こしてしまうこともありますし、
かといって、人との関わりを避けようとすれば、別の問題を引き起こすことにもなります。
他人に自分の意見を明快に伝えるには、
「考える」という行為も同時に必要となります。
よく「考える」ことができて初めて、
よく「伝えられる」と私たちは考えます。
Art Dialogue Cafeでは、
VTSを通して「観察」と「探求」を育てることによって
「人と話す喜び」を増やしていくことを、
私たちの役目だと考えています。
VTSで
「事実に基づいた意見」を相手に伝える
VTS(Visual Thinking Strategies)は、
…同時に観察力を磨くことができます。
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VTS(Visual Thinking Strategies)は、1991年にニューヨーク近代美術館(MoMa)でヤノウィンによって、もともとは絵画を見る方法として生み出されました。
しかし、その後、VTSの考え方は、ヴィジュアル・リテラシーだけではなく、様々な分野(例えばスポーツ、数学、国語…等)でも有効な優れた学習方法であることが判ったのです。 -
伝わりにくい話には、「根拠」や「論拠」(つまり”根拠と主張・意見をつなぐ理屈”)が明確ではない事が多々あります。例えば、自分独自の信念に基づいた意見(考え)は、信念が根拠として他の人と共有されにくいので、伝わりにくいのです。信念に基づいた意見の場合とは異なり、事実に基づいた意見は、事実が根拠として他の人と共有されやすいので、他の人に伝わりやすいのです。
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VTSを活用し、「絵のどこからそう考えたのか」を自問自答しながら考えることで、「事実に基づいた意見」を話す練習ができます。また、絵画は、見る人によって様々な解釈を得られるため、議論や対話をする力を鍛えるのにとても適した教材です。参加者全員が一つの(アート作品)をみて対話や議論を行うことで、「絵のどこから(根拠)そう考えたのか?」を明確にしながら深く考える力、および、観察力の両方を同時に磨くことができるのです。
開催方法について
ファシリテーターが参加者の皆さんに問いかけながら、進行していきます。
絵の知識や情報は全く必要ありません。
皆さんが、安心して発言できるような場を心がけて開催していますので、
アートに詳しくない方や初めて参加される方でも、年齢問わずお気軽にご参加いただけます。