AI時代に必要になるスキルとは? 〜対話型アート鑑賞で育つ『アクティブラーニング』〜
AIができない仕事を、人間をできるのか?
「例えAIにできない仕事が生まれたとしても、その仕事がAIで仕事を失った人の新たな仕事になるとは限りません。」
数学者で 国立情報学研究所社会共有知研究センター長・教授の新井典子さんはこうおっしゃられました。
新井さんが開発している「東ロボ君」は”東大に合格するロボットを作る”という名目で開発されました。
東大に合格することはできませんが、MARCHレベルの有名私立大学には合格できる偏差値にはすでに達しているそうです。
(※元々東大に合格することはAIには不可能、ということは分かっていたそうです。)
このままでは「AIにはできない仕事」を仕事にできる人の数は限られてくるかもしれません。
これまでの知識偏重型の教育方法だけでは乗り越えられないAI時代に向けて、
主体的・対話的に学ぶ子供を育てるアクティブラーニングと、
その視点を取り入れた対話型アート鑑賞についてご紹介したいと思います。
アクティブラーニングとは?
皆さんはアクティブラーニングという言葉はご存知でしょうか?
2020年の新学習指導要項により、アクティブラーニングを重要視した授業は増えてくると思います。
アクティブラーニングとは、「主体的・対話的で深い学び」と示されています。
これまでの一方通行の講義スタイルではなく、
グループワークやディベートを通して、生徒自らが自主的に学ぶ形式で授業が行われていきます。
アクティブラーニングをいち早く導入されたのは奈良一条高校の前校長、藤原和博さんですが、
藤原さんはあるインタビューで、アクティブラーニングとはつまり「生徒が寝ない授業」と言っていました。
(そういえば中高の授業は眠たい授業ばかりでしたね。。)
ジグソーパズル型ではなく、レゴブロック型を目指す
藤原さんは、これからの時代は「ジグソーパズル思考」の教育ではなく、「レゴブロック思考」の教育を目指すべきだと言っています。
ジグソーパズルは、正しい答えが決まっている遊びです。
ピースの置く位置も最初から決まっているので、
一つの情報(ピース)をいち早く処理して完成させることが重要になってきます。
それに対しレゴブロックは、一つの素材(ブロック)を使って新しいものを生み出す遊びです。
何通りもあるブロックの使い方から、何が作り出すことができるか?と考えなければなりません。
もちろん答えは無限にあります。
成熟社会となった日本では、これまでのジグソーパズル思考の子供をいくら育てたとしても、
それは「AIでもできる仕事」しかできない大人になるでしょう。
しかし「何か面白いもん作って!」とAIにレゴを渡したところで、それは不可能でしょう。
そもそも「面白いものってなんだろう?」と考えるのは人間にしかできませんから。
アクティブラーニングは、自らの疑問や興味から仮説を立て、
周りの人の知恵(ブロック)を組み合わせて新しいものを生み出せる人間を育てるための教育方法なのです。
レゴブロック思考を育てる4つの力
では、このレゴブロック思考の子供を育てるためにはどんな要素が必要なんなのでしょう?
批判的思考(クリティカルシンキング)
今までのものの観方や常識、固定概念を疑い自ら新しい問いを立てる力。
男の子の遊びだと思っていたけど、ブロックの色を変えたら女の子でも遊べる様になるんじゃないの?
などと、根本的なことを疑うことは人間にしかできません。
観察力・読解力
「あたりまえ」を疑うためには、注意深く身の回りの出来事を観察しなければなりません。
時代の流れや人の問題意識も、ロボットでは感じ取ることができません。
人の「本質を深く観る力」がなくてはなりません。
プレゼンテーション能力
自ら立てた仮説から、情報や知識をもとに検証し、相手目線で分かりやすく伝えるための編集・表現能力が必要となります。
編集とはつまり、「自分が何を伝えたいのか?」という出発点からスタートするものなので、これもAIには考えられないことですね。
コミュニケーション能力
自分一人で完結することは、そんなに難しいことではないかもしれませんね。
しかし社会に出ると一人の力とはとても小さなものです。
自分の視点だけでみるのではなく、他人の視点も共有しながら、
問題を他人と解決に導く新しいものを生み出す力はますます必要になってくるでしょう。
最も大切なのは、主体的に学ぶ姿勢
レゴブロックは、いくらプレゼン能力やコミュニケーション力が高くても、完成できるものではありません。
一番大切なのは、自分の中から湧き出る好奇心と、自分の頭で考え抜く力が学びの土台となるでしょう。
ドキドキする未来を描けるのは、人間だけです。
対話型鑑賞で育てるアクティブラーニング
対話型アート鑑賞は、子供の主体的で深い学びを育てる鑑賞法です。
アート作品は、正解ではなく問いを投げかけてくれるとてもいい教材となります。
目に写るものだけではなく、見えないものまで観察する力が自然と身につき
対話を通して他人と鑑賞することで、複眼的な視点で物事を捉えることができます。
学校で受ける授業とは全く異なり、チャイムがなったときに学びが終わるわけではありません。
対話型鑑賞では、むしろチャイムがなった後から、それぞれの学びがスタートするのです。
対話型鑑賞で、ぜひアクティブラーニングを身につけませんか?
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