「対話するチーム」をつくる 〜対話型アート鑑賞のすすめ〜

議論ばかりするチーム

普段、あなた会社のチームや部署では、どれくらいの「対話」ができているでしょうか?

「何とか自分のアイデアを実現させたい!」という想いや、

「今までになかったものを世の中に届けたい!」といった信念が集うの場がビジネスの世界ですから、

「対話」よりも「議論」がの方が活発になってくるのではないでしょうか?

 

「議論」とはグループ内で協力し、1つの結論を出すためのコミュニケーション手段で、

「対話」はそれぞれの価値観や物事の見方の違いを理解し合うコミュニケーション手段です。

 

この二つを状況に応じて使い分けることができれば、より円滑にプロジェクトを進めることができる様になり、

一つの同じ目的を歩んでいけるチームをつくることが、可能になるはずです。

 

今回はチームでの対話の必要性と、対話の技術を育てる「対話型アート鑑賞」についてご紹介します。

 

対話はなぜ必要?

人は自分の意見を言う時、今まで自分の眼で見てきたことや、経験したいこと、

育った環境や文化性によって物事の良し悪しを判断します。

そのため、どれだけ仲のいい仲間や友人であっても、「言葉の意味」が違う状態で話をしています。

「言葉の前提」といった方がわかりやすいかもしれません。

 

「より良い社会にする」と言葉を聞いて、あなたはどんな「社会」を思い浮かべるでしょうか?

「仲の良い家族」を想像する人もいますし、「ゴミのない綺麗な街」を想像するかもしれません。

「犯罪のない街」のことだと思う人もいるでしょう。

その人の育った国や地域などによっても、「良い社会」の条件は大きく異なります。

 

長年一緒に過ごしてきた家族や仲間であれば、暗黙知として理解できることはあるかもしれませんが、

ほとんどの場合、互いの「頭の中の絵」は違うものが描かれています。

 

チームが一丸となって同じ方向に進むためには、

その「頭の中に描かれる絵」を極力同じものにするコミュニケーション手段、

つまり「対話の技術」をチームの全員で身につけていく必要があります。

 

チームで対話をするには

チームをひっぱる立場にいると、自分の意見をたくさん言ってしまいそうになりますが、

対話では、まず「聴きだす」ことが第一歩です。

安心して話せる環境

チームメイトから深く話を聞き出すには、安心して話せる環境が必要です。

会社では、先輩後輩・上司部下という関係がもちろんあるので、話しにくいことはたくさんあります。

ですが、遠慮やお世辞ばかりを言ってしまっては、対話を行うことはできません。

それぞれの意見を、まずは「吐き出してもいいんだ!」と思える場作りが必要です。

 

よく、椅子を丸く並べて座ったりしているグループを見かけますが、

それより大切なのは、一人一人が「聴く力」をつけることです。

互いによく「聴く力」がその場に浸透していれば、話し手は安心して伝えることができます。

 

チームメイトが何を「良い」と思っていて、何を「良くない」と思っているのか。

何を望んでいて、何を望んでいないのか。広く深く聴く意識がとても大切です。

 

言葉の「ズレ」を見つける。

たくさんの発言の中から言葉の「ズレ」を見つけ出します。

「この人とこの人の意見は同じだけど、私の考え方は少し違うな。」

「同じ意見の様に聞こえたけど、言い回しが私とは違うな。」などなど。

 

この時、気をつけるべきことは、「違う意見(異論)」を「否定や批判」の様に感じてしまう人がいる、ということです。

対話の技術を身につけるには、「異論と批判と否定」を話し手も聴き手も、しっかり区別しなければなりません。

 

対話は「答え一致」させることを目的にしてはいけません。あくまで、価値観や考え方の「違い」を見出すことに意味があります。

(同じ考えしかないのではあればそもそも対話は必要ありませんよね。)

そのため、対話においては「違う意見」は大いに歓迎するべきです。

反対に、「批評や否定」は対話において、避ける必要があります。

 

全員の「共通項」はどこか?

「違い」がたくさんあるとはいえ、必ずチームの中で「共通項」はあります。

その「共通項」が、チームの中の「原点」や「出発点」になる可能性が高いです。

その原点が見つけられて初めて、「議論」つまりチームで何かを決断する準備ができるわけです。

 

物事を決断するには、取捨選択が必要ですが、

この対話を行なった場合と、対話を行わなかった場合では、「答え」に対しての意味が変わってきます。

「チームの納得解」を見つけることができれば、

たとえ、その答えで満足のいく結果を出せなくても、また、対話をして次の進路を見つければ良いのです。

 

「対話の技術」をチームで育てるために

これまでの教育で「対話の技術」について学んだことはありません。

もちろん、いいプレゼンの方法や、コミュニケーション作法などを学んだとは思いますが、それはあくまで個人レベルの話です。

対話は言葉のキャッチボールであり、「集団」で学ぶ必要があります。

対話のプロセスを、あらゆる集団が身につけることができれば、「誰かが居心地が悪くなる状況」は無くなっていくのではないでしょうか。

 

対話型アート鑑賞は、そういったビジネスパーソンにもとても役立つ対話のトレーニングです。

ニューヨーク近代美術館(MoMA)で1980年代半ばに開発された鑑賞法で、

今では美術館だけではなく、様々な教育機関やビジネス界にも取り入れられています。

 

一つの視覚教材を使って、「みる・考える・話す・聴く」を繰り返すことによって、

論理的思考や表現力だけではなく、自然と「対話の技術」を身につけられる革新的な鑑賞法です。

 

是非一度、参加してみてはいかがでしょうか?

 

Follow me!